2012/06/22

最近読んだ本から2冊ご紹介 - 「三国志」「たそがれ清兵衛」

Libraries are Creepy
Libraries are Creepy / Paul Lowry

おはようございます!すなふ(@sunafu35)です。

先日、地元の図書館に行ってきて借りてきた本から、早速読んだものを紹介したいと思います。
ついでに、ブクログからの貼付けで、どんな感じになるのかを見るためでもあります╭(¯ロ¯)╮

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それでは、2冊ご紹介!

三国志 北方謙三

吉川英治さんの三国志は何度か読んでいたのですが、北方さんの三国志は、なんとなく今まで読まないままできました。

今までなんで読まなかったんだろう!?
と後悔するくらいに面白かったです!

所謂吉川三国志とは、だいぶ視点が違う感じで、生きている人間感が強く感じられます。
戦法がこうで、戦略がこうでという描写ももちろんありますが、やっぱり印象に残るのは人間臭さ。劉備、張飛、呂布と、それぞれに「おっ」と思うような性格付けがされています。

思い返してみて、今まで読んだ三国志は、
一騎打ちが!
奇略が!
という面が押し出されているものが多かったですが、本書では、例えば華雄なんて、どんな武将なのかの説明すらないですし、呂布と張飛・関羽の三つ巴すら、ひどくあっさりと描かれています。
それでも、そこに重点を置いてない事は、この本の魅力を損なう理由にはなりませんでしたし、読み慣れた三国志に色がついたような感覚さえありました。それほどに、心理描写が面白いです。

そして、文章の熱さには、絶対一気読みさせられてしまうと思いますよ。

所謂「北方三国志」です。何故か今まで読んだことなくて、吉川三国志が全てだと思い込んでました。吉川三国志に比べて、「熱を感じる」ので、淡々とした感じや、暗い印象がなく読みやすいですね(・・*)。。


たそがれ清兵衛 藤沢周平

藤沢周平さんの作品を読んだのは、他には用心棒日月抄シリーズを読んだくらいですが、やはり全体的にどことなく寂しさがあるような気がします。
主人公は押し並べて下級藩士で、地味ながら侘しさは感じられない暮らしを営んでいるところに、突如湧いてくる無下な命令といったスタイル。

当然、そういった進みなので、短編の結末も、どこかしらハッピーエンドだけではない話が多いです。
それでも、表題作の「たそがれ清兵衛」などは、この先幸せを掴んでいくんだろうとなと思わせる結びになっていて、思わず顔が綻びます。
それも、派手な幸運ではなく、極々暮らしに寄り添ったような幸運なのが、この作品の持ち味なのでしょう。

表題作だといって、他の短編と比べてページを割いているわけではなく、どちらかというと、あっさりと〆られていて、「あれ?表題作もう終わり?」といった気分にもなりますがw

かといって、他の作品の印象が薄いかといえばそういうものでもなく、短編のタイトルにそれぞれ付けられている渾名によって、その短編の文章から感じる雰囲気まで変わってしまっているような、色んな風景がある作品だと思いました。

読んで、あぁ楽しかった!という作品でもないけれど、とても惹きこまれる短篇集になっています。

藤沢周平さんの本は、読んだ限りでは明るく元気になれるタイプの本ではない気がしています。
たそがれ清兵衛は、巻末の紹介では「暗さが抜けてきて」という様な印象にも触れているのですが、そこにはちょっと疑問符が。
でも、文体も読みやすく、心理描写も巧みだと思いますので、気軽に挑戦できる時代小説だと思います。


2冊とも、現代ものではないですが、その分「物語」として読むことが出来るので、ちょっと読書をしようかと思った時に向いていると思います。
古典のような、文章の違いによる読みにくさもないですし、是非一読を!

それではまた!


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