東野圭吾
初の、映画版を先に見てから文庫読破。
実は原作小説ありきの映画が、往々にしてエピソードや心情描写を飛ばすことが多いので、そういう細かい部分を含めてどう感じるのか?・・・
ってところを期待して読んだんですが・・・、意外や意外、映画版でも、しっかりをエピソードや心情が描けていて、原作と比べてもあえて原作だから詳しく知ることができるってほどに違いがないことに驚き。
設定はいくつか変更されている部分がありますが・・・、映像にするとバドミントンは映えないとか思われたのかな?w
原作では、湯川教授、草薙さんあたりがバドミントン経験者らしく書かれていて、映画版ではたしかスカッシュをしている描写になってた。。悔しいw
あと、映画版のほうでは、湯川教授と石神が雪山登山をする場面がありましたけど、完全に蛇足って感じですね。あれはいらない。
ともあれ、いきなり石神が事件隠蔽に協力を申し出る不可解さ。順番に明らかになる動機や、結末を誘導するための、幾重にも重なった工作は、やはり読み応えあり。ただそれだけのために?って思わせる暇を与えないような、圧倒的な工作の数々がスピード感を与えています。
【有限と微小のパン】
森博嗣
S&Mシリーズ最終巻。
この本の前に読んだのがサイモン・シンの暗号解読。
暗号・・・はあまりに話がややこしく、またフェルマーの最終定理ほどには華々しいエピソードに包まれていなかったためか、かなり時間がかかってました。ので、次に本を読みだしても、そうそう一気には読めないかな?って思ったんですけど、しっかり一気読みw
内容は、今までのシリーズをしっかり踏まえてきたようなストーリー性のある物。
トリック部分はいろいろ壮大な割に、実際の事件に絡んでくるトリック自体は、少しせせこましい・・というか、イベントを利用して~、的なものだったせいか目立ちません。
それを差し引いて、今までのシリーズを読んできた人なら、きっと入り込めるストーリー重視本。
何がすごいって、真賀田博士が儀同世津子のとなりに引っ越してるって、シリーズ中(もしくはGシリーズを読んでるのでそっち)で気付いていたのに、すっかりそれを忘れていて、真賀田博士がどこにいるのかを考え続けていたことw
これネタバレ?まぁ、気にしません。本命ネタではないと思うし。
大まかな部分では、今まで通りの「西之園萌絵危険にあう、犀川先生助ける」パターンなものの、犀川先生の見積もりの甘くない切迫感は、読んでいて緊張感があります。
印象的なセリフ「話をふった僕は、もっと不覚だ。」・w・
精神論に入りすぎるとついていけない部分が出てくるんですが(四季がもっともたる例)そのぎりぎりのラインで踏みとどまったかな?っていう印象が強い本でした。
ともあれ、これでS&Mシリーズは読破。
次は、時系列的にはVシリーズになるようですが、どうしようか・・・。西之園、犀川コンビがもっと読んでいたんだけどなぁ・・・。
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