2012/06/09

World IPv6 Launchを迎えて、ちょっとおさらい。


こんばんは!すなふ(@sunafu35)です。

6月6日にIPv6Launchを迎えて、2日経ちました。全体として、大きな混乱はなかったようで、今までの準備期間を思うと、胸を撫で下ろすところでしょうか?

【IPv6への移行、日本の対応を評価 川端総務相 - SankeiBiz(サンケイビズ)】

実際にはIPv4とのデュアルスタック状態が続くので、完全移行にはまだまだ時間がかかると言われていますが、実際のところ、どれくらいの期間だと予想されるのか、またIPv6になったらなにが変わるかを見ていきたいかなと思います。

IPv6?
IPv6って?っていう人の為に軽くおさらいしておくと、IPv6のIPvとは「Internet Protocol Version」のこと。平たく言えば、インターネット上のアドレス(住所)の事。ブラウザが視覚的に分かりやすいですが、住所を訪ねていって家の中を見せてもらっているのが、インターネットでのブラウザ表示という感じです。
今までのIPv4のアドレス空間は32ビット、約43億もの数があったのですが、IPv6では128ビット、事実上の無限とも言われるアドレス空間が利用可能です。


何故話題になっているのか?

現在使われているIPv4というのが、1978年に原型が出来て以来使われてきたプロトコルですが、その住所群の数に限界が来ているということが前提にあります。アジア太平洋地域では、2011年4月に、すでに枯渇宣言がされています。
その為、いよいよ数が足りないIPv4に対応するため、IPv6への移行を進めないといけなくなりました。枯渇したままでは、インターネット網をこれ以上広げるスペースがないということですね。
そこで、IPv6への移行を世界的に進めようという動きが今回の話題の元です。

【Networkキーワード - IPv6 とは:ITpro】
【Google Japan Blog: World IPv6 Launch: インターネットの持続的な成長のために】


影響がでるのか?

では、一般的な用途でインターネットを利用している人たちに、どういった影響が出るのか?という部分ですが、基本的には影響はありません。というか、影響があってはいけない問題です。

そもそも、IPv6というものは、新しい技術が出来たよ!とか、パワーアップするよ!という類ではなくて、アドレスが足りないよ!という問題への対応策ですので、インターネットが変わりますというものではないと思うのです。

もちろん、技術提供側にとっては、変わる部分はあります。
アドレス空間が広がる事で、家電製品などへのIP付与が積極的に進むかもしれません。家電製品や時計、自動車などに直接IPがふられる事で、自動制御が可能になるとも言われます。実際のところ、アドレス空間が使えるからといって、いきなり使用する技術があるのかどうか分かりませんけど。
また、今まではプロトコルが別だったため、一般的使用はされていなかったのに、名前だけはWindowsサービスなどで知られていた「IPsec」などのセキュリティ技術も、内包されるので、もしかしたら一般的に利用されるようになるかも。


移行について

そんなIPv6ですが、何しろ今までの43億の使用数があるIPv4からの移行なので、簡単には進みません。
特に今問題になっているのが、デュアルスタックによるフォールバック問題です。

Yahoo! JAPANはIPv6にシステム対応済み、ホワイトリスト的に実験提供も -INTERNET Watch
「現時点でIPv6プロトコル対応を行った場合、Yahoo! JAPANを利用する日本国内の一部のお客様に少なからず影響が発生することが確認されているためです。影響を受けるお客様に負担をかけない回避策が ...

フォールバックとは、IPv6-IPv4が混在する現状において、ユーザーからの接続がIPv6を使用してサイトに接続しようとして、反応がなかったときにIPv4を使用して再度接続を試みるという順番のために起こる遅延問題です。
この問題が起こった場合1-3秒の表示遅延が起こる問題を認識しています。

その対応策として名前が上がっているのがAAAAフィルターらしいのですが、これはIPv6での接続を抑制して、IPv4から接続を試みる為のフィルター機能。完全移行までの間、遅延問題をなんとかしようというものですね。

懸念するのは、このAAAAフィルターがあることで、ユーザー側からのIPv6接続利用が拡大していかない→ユーザーからの利用がないので、完全IPv6移行に踏み切れないという悪循環だと思うのですが、どうなんでしょう?

IPv6の世界へようこそ~World IPv6 Launch、始まる - @IT
事業者側では「IPv6ユーザーが少ないので対応するメリットがない」、一方ユーザー側は「サービスがIPv6に対応していないので移行するメリットがない」と互いに様子をうかがう、鶏が先か卵が先かという状況が ...

こういった問題が続いてきた為に、準備期間が伸び、完全移行にも時間がかかるという・・・。
頭が痛くなりそうな問題です。

Windows 8でIPv6周りの実装改良、「フレッツ 光」フォールバック問題が解消 -INTERNET Watch
IPv4/IPv6デュアルスタック環境でデフォルトルートを決定するためのアルゴリズムが改良され、その結果、日本の「フレッツ 光」ユーザーで発生する「IPv6-IPv4フォールバック」の問題がどうやらO ...

IPv6/IPv4のいずれのルートも接続できる場合には、従来と同様にIPv6のルートを優先するルールに従う。一方、IPv6の接続性が確認できなかった場合には、RFC 3484による優先順位では低い方のIPv4によるルートをデフォルトで使うことになる。
テストは、Microsoftが公開するIPv6オンリーのサーバーに対してHTTP GETリクエストを送るというシンプルなもの。テスト結果はWindows 8にキャッシュされ、以降、30日ごとにテストを繰り返していく。
この仕組みは、IPv6のプロトコルスタックで実装している。ウェブブラウザーに限らず、標準のWindows APIを使用しているアプリケーションであれば、特別な設定や追加の実装をすることなく恩恵を得ることができる。

まぁ、こういった話もあるようなので、いずれは解決されていく問題だと思いますが・・・、Windows8が普及するかどうかにもかかってくると、厄介な話です。

普段使うサイトの表示速度に影響が出たりすれば、もちろん避けたいと思うでしょうし、少なくともISP側でAAAAフィルターなどの対応がない限りは、WindowsレベルでIPv6を使わないという選択肢になります。
先を見ればいずれ使わざるを得ないのですが、ユーザー側に「使って下さい」といえるものでもない事が分かりますね。


Googleによると、今後6~7年で、アクセスの半数がIPv6になるという見通しを立てているようです。そこから、一気に進んだとして完全移行には10年ほどかかるのでしょうか?
それまでは、混在する状況が続くわけで、IPv6にするメリットがどこにも転がっていない以上、ユーザーとしては、IPv6を使わない設定を続ける事になりそうです。
むしろ、IPv6を使う、ユーザー視点のメリットを教えて下さい。

ということで、アドレス空間拡大による使用用途は、新技術単位で増えていった場合に、そういった製品を使用する場合に勝手にIPv6がふられるだろうといったところで。今現在インターネットを使用しているユーザーは、IPv4を使う状態が無難なんじゃないかな?と思ったりするわけです。

IPv6、理解は出来るけど、こっちからは何も手出しは出来ないよというお話でした。
128ビットのアドレス、絶対暗記出来なくなるなぁ・w・


ちなみに、ISPの対応状況はこちら。

【JAIPA|World IPv6 Launch についてのご案内】


フォールバック問題

オススメするわけではないですが、現段階でフォールバックによる遅延が出ていて、ISPによるAAAAフィルターなどの対応がなされない場合は、ネットワークのプロパティから、「インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv6)」のチェックを外すと、IPv6での接続を使用しない設定をすることは出来ます。


私は、移行問題なんとか頑張ってくださいという意見なので、オススメするわけではないです。

IPv6ってどうしたらいいの?と思っている人がいたら、と思って書きました。
ではまた!

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