2012/04/19

「イタリア 驚異の3D天井画~ポッツォのバロック」NHKオンデマンド

先日、【フローズンプラネット】(Click New Tab)見たさに課金したNHKオンデマンドで、【極上美の饗宴 「イタリア 驚異の3D天井画~ポッツォのバロック」】という番組がアップされていたので、見てみようとしたら、冒頭の天井画に圧倒されてしまいました。

「聖イグナティウス・デ・ロヨラの栄光」アンドレア・ポッツォ

NHKからキャプチャしたとかではないのであしからず。

画像だと、そこまではっきりとは分からない気がしますが、NHKの映像で見たものは、「おぉっ」って思うくらいの奥行き感があって、本当に立体かと見紛う感じ。

思わず、動画を止めてさくっと調べてしまいました。

■アンドレア・ポッツォ-聖イグナティウス・デ・ロヨラの栄光(イエズス会の伝道の寓意)(Click New Tab)
http://www.salvastyle.com/menu_baroque/pozzo_ignazio.html

こちらのサイトの説明によると、
17世紀後期バロック巨匠アンドレア・ポッツォの最高傑作
『聖イグナティウス・デ・ロヨラの栄光』

イエズス会総会長にローマへ呼ばれサン・ティニャーツィオ聖堂の壁画装飾として身廊天井に描かれた天井画である本作は、イエズス会の創始者聖イグナティウス・デ・ロヨラが父なる神及び神の子イエスの御名から発せられる聖なる光を受け、イエズス会士が世界(当時考えられていた世界を構成する四大陸ヨーロッパ、アフリカ、アジア、アメリカが擬人化され表現される)へとその教えを伝道していく場面≪イエズス会の伝道の寓意≫が描かれている。

古代ローマ美術の先例に倣う遠近法を用いた、建築物(サン・ティニャーツィオ聖堂)と天井画が一体となる建築的絵画技法を駆使し、聖イグナティウスとイエズス会の偉大な功績を、幻想的にすら感じさせる空想的な空間を構成によって劇的に表現されている。

このような≪アポテシオス≫と呼ばれる、(遠近法などの)建築的絵画技法を用いて神や聖人を賞賛する表現形式の最も優れた作例として後世の画家に多大な影響を与えたほか、現在も数多くの人々を魅了し続けている。
とのこと。

サン・ティニャーツィオ聖堂は、聖堂建築時に資金難から天井ドームを作る事ができず、ポッツォに立体的かつ、ドームが広がっていると思わせるように天井画の依頼をしたとのことです・w・
それが、逆にこの聖堂の名物になっているところが少し面白いですね。

ポッツォの作品は、修道士としての立場からか宗教画がほとんどになっているようです。
いつものように、Wikipediaリンクに頼ろうと思ったら、英語版しかありませんでした(。。
アンドレア・ポッツォ

■アンドレア・ポッツォ(Click New Tab)
http://en.wikipedia.org/wiki/Andrea_Pozzo


サン・ティニャーツィオ聖堂は、ローマにある聖堂のようです。
調べてるとSant'Ignazioで表記されているので、「イグナシオ教会」かと思うのですが、どういう由来でサン・ティニャーツィオになったかまではちょっと気力が足りませんでした。

サン・ティニャーツィオ聖堂


こういった建築が近くにあるといいのになぁって思います。
安易な憧れかもしれませんけど。
外からの画像をみると、天井がドーム状になっていなく、けっこうありがちな形になっているのがよくわかります。
こういう写真見て思うのが、建物を遠景で撮る時に、背景にしっかり空だけが映るっていいですよね。日本は、大阪にも明治建築など、昔の設計の物が残っていたりしますが、写真を取ろうと思うと、背景にはしっかりビルが写り込んでしまいますし。
こういった空間があるのが、安易なイメージながら魅力的です。

Fresco with Trompe l'oeuil -
Jesuit Church Vienna
んでもって、左の画像はサン・ティニャーツィオ教会のものではないのですが、ウィーンにあるイエズス教会のポッツォ作のフレスコ画だそうです。

こちらもだまし絵になっていて、アーチ状の天井に立体的にドームが描かれているのがわかります。

と、これみて思ったんですが、サン・ティニャーツィオ教会の、ドームに見えるように依頼されたっていうのは、ちょっと怪しそうですねw
こっちのほうが明らかにドームを描いていて、サン・ティニャーツィオ教会の天井画は、天井自体をなくして空に続くような立体感を出していますので・・・。

ポッツォの作品を一覧できるようなサイトはちょっと見つからなかったのですが、作品はこういっただまし絵感覚の物がとても多いようで、ポッツォが高く評価されているのも、そういった作品のようです。





ううむ・・・NHKオンデマンド、思ったより見たくなる番組が多くてちょっと驚きです。
「グレートサミッツ」「コズミック・フロント」「フローズンプラネット」「BS世界のドキュメンタリー(タイタニック)」「グレーテルのかまど」などなど、お気に入りです・w・


【見終わったので多少追記】

番組内では、森本千絵さんという方が聖堂を訪れる流れで進んでいました。
ポッツォの経歴を追うのは「ほんのさわり」で、作品の殆どが宗教画などは紹介されていましたが、主体は、

「どのようにして作品が描かれたか」

格子枠と糸を使ったのではないか?という推測が紹介されていましたが、実際にはどういった作業が行われて、描かれたのかは謎だそうです。

作品についても説明がありましたが、見れば見るほど精細な描画でした。
4大陸を表した女性画も面白いですし、フランシスコ・ザビエルが描かれているのも、フランシスコ・ザビエルが作品の主題であるイグナチオ・ロヨラと共に列聖された事を表していて、興味深いです。


番組内では、作品の製作期間なども特に触れられませんでしたけど、そのあたりも謎なんでしょうかね?・w・ 紹介されたような作業法で、あれだけの大作を仕上げたとなれば、年単位の期間がかかっていると思うのに、その作業についての記録がないのは残念なものです。


番組で残念だったのは、番組後半で朝9時に聖堂を訪れて、作品内でポッツォが想定した光源がはいる映像を紹介していて、それはとても圧倒されてしまうようなすごい映像だったのですが、冒頭から作品に集中して紹介しているせいか、後半のその時には、あまり全体像を映してくれなかったこと。ポッツォの想定した、その瞬間の全体像から詳細こそを締めくくりとしてもっとしっかり見たかった(・・*)。。

それにしても、バロック時代の建築絵画関係は、時間のかけ方が贅沢ですね。

ちなみに森本千絵さんは、Mr.childrenの「エソラ」のPVを手がけたりしてるそうです。

よし、次はこれを見よう(´・ω・)

2 件のコメント:

  1. 私も番組観ました。FBで記事をシェアさせてください。

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  2. コメントありがとうございます。
    シェアなどはご自由にどうぞ~。シェアボタンちゃんと動作できてるか不安が残りますが・w・

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