最近読んだ、「天地明察」「緋色の習作」についての感想を。
天地明察は、今年一番のオススメになる可能性が!
【天地明察】(Click New Tab)
■沖方丁
すごい、ほんとにすごい!
碁を打ちながら、算術に魅せられ、天文に出会い、改暦を成し遂げた晴海の物語を、序盤の勢いのまま書ききった・・・と思える素晴らしい本でした。
算術に夢中になる晴海の微笑ましさ、”えん”のツンデレ(デレあったかな・・)っぷり、伊藤さん、建部さん両名の清々しい研鑽、村瀬さんの男前っぷりに関さんの孤独、道策の無邪気さ。
全てが素晴らしい流れで組み合わさっていて、本当に時間を忘れて読み耽りました。途中、目を休めようかと考えたけれど、目を離すのがもったいなくて、お茶だけ淹れてすぐに再開して凡そ5時間ほど。
普段は小説300ページくらいで2時間弱が基本くらいなので、相当時間かけて読みました。それくらい、文をしっかり噛み砕いて読みたくなる本です。
晴海だけの一人称で進むのが基本ですが、途中に歴史物のように俯瞰した描写もあります・・それが、またいいタイミングで味わいを出していて、500ページに迫る大作にかかわらず、どこをとっても流して読もうなんて思う部分がないです。
晴海と”えん”さんの掛け合いにはにやにやしつつ、晴海・・待たせすぎ・・とまた笑い。
伊藤さんと建部さんが出てくると、なんて素敵な中年二人w と一気に二人を好きになり、涙して。
ここからどうなって、何に向かっていくんだろうとずっとわくわくしながらページを辿りました。
けっこう登場する人物は多い気がするのですが、一人一人がしっかりと個性を持って描かれていると感じます。そして、誰一人として、嫌悪感を抱くような人物が登場しません。
ストーリー性にあふれた小説で、ほんとに読むことさえ嫌になるくらいの性格の人物が出てくることって、意外と多い気がするのですが、それがない。そのことが、いい読後感を与える事にもつながっているかなと。
すぐに題名が出てくるほどではないですが、すごくいい作品だと感じて、また読もうと思っていた小説が、いざ読もうと思った時に、「あの人物の登場してる場面は読みたくないな。」と思って、延ばし延ばしにすることもあります。これは、映画やアニメでもそういうことありますけど・w・
そういう意味でも、天地明察は、またすぐに読み返そうと思った作品です。
評論するだけの知識も読解力もないので、すごいすごいとしかいいようのない、単純な感想文になってますが、是非他の人にも読んでほしいなって思えた作品。
今年、まず一番の本にあげるとして、沖方さんの他の作品も漁ってみようと思います。
シャーロック・ホームズ。
ホームズといえば、多分初めて読んだのは中学時代あたりだと思います。その頃図書館で、確か全60話収録(記憶が怪しい)の分厚い全集があって、それを借りて一晩中読んでいた思い出があります。
・・・読みきった時にちょうど夜が明けて、随分達成感にあふれたものですw
・・・読みきった時にちょうど夜が明けて、随分達成感にあふれたものですw
さて、その頃から何回読んだか分からない緋色の習作、もしくは緋色の研究。
原題は ”A Study in Scarlet” 訳しかたについては論争があるそうで、読んだ河出版では習作。
原題は ”A Study in Scarlet” 訳しかたについては論争があるそうで、読んだ河出版では習作。
毎回読む度に、そういえば犯人の回想シーンがやたら長くあったんだった、と思いますw
ほんとに毎回思う。
読んで、今度はホームズがもっと読みたいから、緋色以外を借りよう、読もうと思うのに、忘れて借りてまた思う。。。
読んで、今度はホームズがもっと読みたいから、緋色以外を借りよう、読もうと思うのに、忘れて借りてまた思う。。。
回想シーンが悪いとか、面白くないとかではなく、本編・・・ホームズシーンと同じくらい回想が長いのが気になります。でも、ホームズシーンについてはやっぱりいいなと思う空気感。トリックを当てようとか、叙述トリックがあるとか、そういう気持ちに全くならないのが少しいい。
ホームズの推理方法は、答えありきの書き方で、とんでも能力満載で犯人に行き着くので、トリックを考えるだけ無駄に思えてきます。
ホームズの推理方法は、答えありきの書き方で、とんでも能力満載で犯人に行き着くので、トリックを考えるだけ無駄に思えてきます。
ちなみに、全ページの半分を使って、物語中の注釈解説が載せられています。
一つ一つを読むほどのシャーロキアンではないので、パラパラと読む程度ですが、読む気になれば面白いです・w・
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